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食に文化ありー「ハロハロ」フィリピンを代表するデザートのこぼれ話

  • 執筆者の写真: Kate
    Kate
  • 2020年5月31日
  • 読了時間: 5分

更新日:2020年8月25日


Milky WayのハロハロはマニラでNo1の美味しさです

“日本に帰ったら何がしたい?”そう尋ねると、“そりゃもう、寿司、てんぷら、卵かけごはん、豚骨ラーメンが食べたい、それにあれもこれも・・”という答えが返ってきました。その友達は、限られた時間内で食べそびれがないように、帰国の際に食べたいものチェックリストを持参するそうです。

セブ島ではここ数年で随分和食レストランが増えてきて、スーパーでも日本の食材が手に入りやすくなりましたが、私も帰国時の楽しみの一つは、美味しいものを食べることです!

“食に文化あり”とはよく言ったもので、食べ物と国や土地独特の文化には切っても切れない縁があります。普段何気なく食べているものでも、実は長い歴史や浪漫、それにまつわる話や懐かしい思い出があったりするものです。

1. フィリピンを代表するデザート「ハロハロ」



ところで、“ハロハロ”というデザートをご存知でしょうか?夏になるとミニストップで売ってあるハロハロ、フィリピン発祥のデザートとして知られています。

本場フィリピンのハロハロは、コーン、紫いものペースト、ココナッツの実や、レチェフラン(濃厚なプリン)、サゴ(小粒のタピオカみたいなもの)など色とりどりの甘い具がのったかき氷です。それをよーくかき混ぜて氷が少し解けかけたところで口に入れると、とってもおいしいんです。

“ハロハロ”とはタガログ語で、ごちゃまぜ、という意味です。フィリピンはよくハロハロに例えられます。色んな甘味が混ざって一つのデザートになるように、色んな地域・文化が融合してフィリピンという国が成り立っている、ハロハロはいわばフィリピンの縮図ともいえるでしょう!

2. ハロハロの生みの親は日本人??


このフィリピンを代表するデザート、一説によるとなんと第二次世界大戦前にフィリピンへ移り住んだ日本人が生みの親の可能性があるそうです。私もそれを知ってすっごくビックリしました。資料によれば、ハロハロのルーツになったと思われる甘味屋について下記の記録が残されています。

「多くの日本人経営の小さなビジネスのひとつで、もんご屋としてよく知られていた.」- JAPANESE PIONEERS IN THE NORTHERN PHILIPPINE HIGHLANDS(フィリピン北部高地の日本人開拓者たち)第十章チャールズ・ムネオ・寺岡 バギオの建築請負人から抜粋 https://janl.exblog.jp/19598635/

とのことです。


日比友好関係に尽力された故大澤清氏の著書 “A Japanese in the Philippines”(1981)にはもんご屋について下記の説明がありました。


“Another line of business monopolized by the Japanese [in the Philippines] was what we Japanese called mongo-ya. Mongo is a Tagalog word meaning red beans. What was sold for ten centavos was a plateful of cooked red beans heaped with ground ice, topped with sugar and milk. The business could be started with a small capital outlay and some Japanese, after a few years of modest saving as farming immigrants, turned a new leaf as proprietors of mongo-ya. All that was needed to open a shop were a makeshift hut, some small tables and log chairs, and one young boy to help. Also needed were red beans, ice cream, papayas, and penny candies, all in small quantities.”ーPhilippine Daily Inquirer / 10:28 PM August 30, 2012

「もんご」は、タガログ語で小豆という意味なんですね。お店ではかき氷に小豆と砂糖、牛乳をかけたものが売られていたそうです。


参照した現地文献はルソン島のマニラの様子についてですが、セブ島の現在のカルボンマーケットの辺りに、戦前から戦後にかけてちょっとした日本人町があったようです。


1937年、セブ市ダウンタウンエリア。KYOTO BAZAR, OSAKA BAZARの文字が見える

右手の店舗にTAISHO BAZARの文字が見える。

もしかしたらセブ島にも「もんご屋」があったかもしれませんね。


完成した日本風かき氷を食べながら、フィリピンへ開拓民として移住していた日本人は遠い故郷に思いを馳せていたことでしょう。

3. おすすめハロハロ「Kuya J」


さて、セブ島でハロハロを食べるなら、、フィリピンレストラン「Kuya J」のハロハロが一押しです。日本から友達が来るたびに紹介するんですが、みなさん美味しいと大満足してくれます!

「Kuya J」のハロハロが他と違うこだわりが氷。ガリガリした氷ではなく、スプーンですくうとフワっとした、口どけはモチっとしているような、やみつきになる食感なんです。

スペシャルハロハロ

ハロハロ・スペシャル、ウベ(紫芋)ハロハロ、デュオハロハロ、サバハロハロの4種類があります。※サバハロハロは季節限定(!?)のようです。

【ハロハロ・スペシャル】王道のハロハロです。写真むかって左下のハロハロです。

【ウベ(紫芋)ハロハロ】ウベ芋が好きな方は是非トライして欲しいハロハロ。見た目よりあっさりした味です。

【デュオハロハロ】ハロハロ・スペシャルとウベハロハロが半々の、一番お得感があるハロハロ。私はいつもこれをオーダーします。

【サバハロハロ】サバは調理用バナナのこと。変わり種ハロハロなので、2回目以降食べる時にどうぞ!

左下がハロハロスペシャル
左上がウベハロハロ

まとめ

フィリピンを代表するデザート、ハロハロ。戦後間もない時期にフィリピンに渡り住んだ日本人の方がフィリピンで広めたものかもしれません。

セブ島ではほとんどのフィリピンレストランのデザートメニューにあるので、フィリピン大学セブ校へ交換留学中に好みのハロハロを探してみるのもいいですね!

ファストフード店ではChowkingという中華風フィリピン料理がメインの店のハロハロが有名処です。こちらのハロハロはガリガリと食べ応えのある氷を使っていて、「Kuya J」とはまた一味も二味も違っているので是非食べ比べてみてください。



ビュッフェレストランでは、好きなアレンジができるハロハロコーナーがあることが多いので、オリジナルのハロハロを作ってみてはいかがでしょうか!?

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サイト管理人(KATE)プロフィール

親の海外赴任がきっかけでマニラへ。

3年間のマニラの生活でフィリピンが大好きになり、セブ島へ移住。

フィリピン大学セブ校へ入学・卒業を経て現在に至る。

​フィリピン留学やセブ島の生活情報など紹介しています。

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