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【大航海時代】セブの黄金史を飾る4人の相関関係が中々に波乱万丈な件

  • 執筆者の写真: Kate
    Kate
  • 2020年10月8日
  • 読了時間: 5分

更新日:2020年10月11日

マゼラン艦隊の世界周航、キリスト教伝来、マクタン島の戦いと、フィリピンの歴史を変えたセブの黄金史を飾る4人の彫刻像が印象的なモニュメント。


"Golden Tribute to the History of Cebu(セブの黄金史に賛辞を呈して)" と題する高さ約12mのモニュメントはフィリピンの著名な彫刻家の作品で、セブ市の大型ショッピングセンター、アヤラに面する建物の入り口の人通りの多い道路に面して設置してあります。


下町のモニュメントのように有名ではありませんが、セブの歴史が凝縮されたこのモニュメント、4人の相関図が見えてくると、とても興味深いですよ!

※セブ市の下町エリアには、ヘリテージ・オブ・セブ・モニュメント (Heritage of Cebu Monument)があります。

1. 呉越同舟ならぬマクタン/セブ同舟


時は16世紀の大航海時代、フィリピン諸島には統一された国家がなく、首長たちによって各集落が治められていました。

モニュメントの4人は、マクタン島の首長ラプラプ(中央)、セブ島の首長フマボンと妃ファナ(中央下)、そしてスペイン王の命令で世界一周を試みたポルトガル人の探検家フェルディナンド・マゼラン(右)です。


引用元: https://www.pressreader.com/philippines/sunstar-cebu/20121211/282106338951691

地図の中央の大きな島がセブ島で、セブ島右隣の赤丸で囲んでいる小さな島がマクタン島です。


左側の赤丸で囲んでいるのは、マクタン島にあるラプラプの像です。


彼らが有名になった決定的な出来事は1521年4月27日のマクタン島の戦いで、もともと対立関係にあったマクタン島とセブ島に、スペインが絡んでくるという三つ巴の争いです。

仲の悪いマクタン島の首長ラプラプ、セブ島の首長フマボンが一緒にいるモニュメントは「呉越同舟」という言葉がピッタリです。


「呉越同舟」は、『孫子』の兵法に出てくる故事がもとになっている四字熟語で、宿敵同士の「呉」と「越」の国の人が同じ舟に乗っている例えです。

※セブ市のショッピングモール内の本屋さんで英語版の「孫子」がありました!

仲の悪い者同士や敵味方が、同じ場所や境遇にいることや、仲の悪い者同士でも同じ災難や利害が一致すれば、協力したり助け合ったりする意味で使われる言葉です。

歴史上は戦い合った宿敵同士でモニュメントで一緒に並んでいるのは彼らにしてみれば不本意かもしれませんが。。


マクタン島の首長ラプラプ、セブ島の首長フマボンも、そしてマゼランも形は違えど後世に大きな影響を与えた人物です。3人抜きには今のフィリピンの歴史も文化も宗教背景も語れないでしょう。

2. マクタン島の戦い

それではマクタン島の戦いに至るまでの出来事と、それぞれの人物が歴史に残した功績を見てみましょう!


スペイン王の命を受けて出発したマゼラン船団は世界一周航海の途中でフィリピン諸島を発見。

武力を背景にキリスト教への改宗と領土拡大を推し進める中でセブ島の首長フマボンとは同盟成立。

フマボンも妃も洗礼を受けキリスト教へ改宗。

これを記念して、マゼランは妃に幼子イエス像(サント・ニーニョ)を贈呈。

※モニュメントで妃が大事そうに抱えているのがサントニーニョ像です。

セブ島の海岸においてフィリピンで最初のミサが執り行われた。

→フィリピンへのキリスト教伝来として歴史に残る出来事になりました。

周りの首長はフマボンに倣えの姿勢の中、お隣のマクタン島の首長ラプラプはスペイン王への屈服を拒否。

もともとラプラプとは対立関係にあったフマボンは、マゼランにラプラプを服従させるよう要請。


マゼランはラプラプと交渉を試みるものの、結局1521年4月27日のマクタン島の戦いへ突入。

土地の利を生かした戦法でラプラプ軍の勝利、マゼランは世界一周の志半ばで倒れる。

※毎年マクタン島ではマクタン島の戦いを記念したイベントが開催されています。

→ラプラプは海外からの侵略を打ち破った「最初の国家的英雄」として親しまれています。

マゼランを失った艦隊はその後も航海を続け、1522年に世界一周を達成。

→マゼランは艦隊を率いた歴史上の人物として世界史に名を残し、またフィリピンではキリスト教を伝えた人物として一般に顕彰されています。



3. 現在のマクタンとセブの関係

マクタン島の戦いから約500年経った現在、州都セブ市は兄貴分、マクタン島(ラプラプ市)はメトロセブと呼ばれるセブ都市圏を構成する1自治体で、弟分の立ち位置です。

マクタンもひっくるめてセブという括りになっている物は多く、一例でいえば、スターバックスのセブ島のご当地グッズのデザインをよく見ると、マクタン島の特産品のギターやラプラプ像が描かれていたりします。


詳しくは下記ブログを見てみてくださいね♪



歴史的に見てライバル関係にありながらも、切っても切り離せないセブ島とマクタン島。


知名度があるのはセブ島の方ですが、空港があり国内外の玄関口の役割を担っているのはマクタン島です。

その国際空港の名称はずばり、マクタンセブ国際空港です!


離発着時に両方の島を眺めながら、大航海時代のフィリピンのセブ島とマクタン島で起こった歴史の一コマに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。



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サイト管理人(KATE)プロフィール

親の海外赴任がきっかけでマニラへ。

3年間のマニラの生活でフィリピンが大好きになり、セブ島へ移住。

フィリピン大学セブ校へ入学・卒業を経て現在に至る。

​フィリピン留学やセブ島の生活情報など紹介しています。

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